今まで本物だと思っていた食品が実は偽者!?

私は以前商社で働いていましたが、商社と言っても総合商社ではありません。
外食産業専門商社にて7年間ほど働いていました。

ちなみに在庫管理の仕事ですので、調理方法やどこのお店が使っているかまでは詳しくありません。
また魚は加工済みの冷凍品のみで、鮮魚は扱っておりませんでした。

少し前にTVで話題になっていましたが、マグロとして出されていたものがアカマンボウだったというニュースがありました。

このように世間では話題になっていますが、現場の人からしたら「いまさら・・・?」「知らなかったの?」というのが本音だと思います。

偽装があたりまえになっている日本の台所

普段扱っている人からは「代用品」と呼ばれており「偽装している」という認識は無いと思います。

認識が「薄い」のではく「無い」のです。

それくらい多くの飲食店で当たり前に行われています。

私の仕事は卸売りですので食べるお客様に直接出す訳ではありません。

当然「元の名前」で売っていますが、それでも「一般の方が知らない商品名」なら、名前を変えて提供しているであろうことはなんとなく分かるのでご紹介していきたいと思います!

今まで本物だと思っていた食品が実は偽者!?

魚の偽装が一番多いと思います。
これらの魚は見た目が悪く、サイズが大きい事が特徴で「切り身」もしくは「開いた状態」で売られています。
また、「聞いた事のない名前」というのも特徴で、私も「まるごと」の姿は見た事がありません。

アカマンボウ

マグロの代わりとして使われます。
ちなみに名前はアカマンボウですが、アカマンボウは深海魚でマンボウではありません。
見た目だけマンボウっぽいですですが、身の感じも違うようです。

安いネギトロはほぼこいつだと思ってます。

ビントロ

ビントロはメバチ、キハダ、ビンナガが使われています。
100円の回転寿司でマグロよりビントロ(メバチ、キハダ、ビンナガ)のほうがおいしく感じるのはマグロが偽者だったからなのかもしれません。

オヒョウ

これもカレイの代用品として有名ですが、みなさんが回転寿司でエンガワとして食べているものです。
とても大きく見た目はおいしくなさそうです。

ナイルパーチ

古代魚みたいな顔をしていますが、スズキ目アカメ科に属する魚で、アフリカ大陸熱帯域の川に生息する大型で肉食の淡水魚です。

白身魚のフライとして提供されている事が多く、毎日驚くほど多くのナイルパーチが出て行きますので、都内の小さな定食屋で安価ならほぼナイルパーチだと私は思っています。

スズキの代用品として使われますが観賞用としても人気らしい。

マルアナゴ

名前にアナゴがついており、アナゴの代用品ですがウミヘビです。

ナイルテラピア

タイの代用品ですが、真鯛として出されている事があります。
赤字で無ければ真鯛が100円の回転寿司で出回る事はありません。

ニジマス

着色したうえでサーモンとして扱われます。

スプラット

いわしの代用品で缶詰のイメージがあります。
アンチョビとしても有名。

ランプフィッシュの卵

キャビアです!
本物のキャビアはチョウザメの卵ですが、高価なのでランプフィッシュの卵が良く売れます。

名前がランプフィッシュなので最初は「ちょうちんアンコウ」だと思っていましたが、カサゴの仲間のダンゴウオです。

ちょうど以下TwitterにあるGABANのものを売ってました。

魚意外にもこんなに偽者食品が!?

魚の代用品に関して言えば、実物を知らないというだけで害が有るわけではありませんが、体に悪そうな代用品も存在します。

「外食は体によくない」と言われる由縁かもしれませんね。

わさびまで偽者!?

まず本物のすりおろしわさびは辛いです。
お寿司のわさびで辛くないと感じた場合、ほぼ間違いなく粉わさびです。

ハチミツ

昔会社で「1kg入りのはちみつのビン」が割れているのを見て「もったいないなー」と言ったら、上司に「あれは水あめだよ」と言われたのがきっかけで知りました。

私は1kgで1000円を超えないものの中身は「水あめ」だと思っています。

ちなみに○○マーク・純粋などの謳い文句はあてになりません。
これも日本中であたりまえに使われており、偽装食品として闇が深そうでした。

当たり前ですが、本物のハチミツは安価では手に入らないと覚えておきましょう!

また、本物には不純物が入っているので濁っており、涼しい時期には結晶が見えます。
一度通販ではなく観光ついでに養蜂場で買ってみると分かると思います。

フカヒレ

「人工フカヒレ」なるものがあります。
中身はゼラチンらしいですが、本物のフカヒレは卸値でも高く、冷凍で管理に気をつかいますが、「人工フカヒレ」は「そういえばあったな」くらいです。

いくら

昔は人工いくらがあったらしいですが、私は「人工いくらの本物」を見た事がありません。

コスパが悪いから他の代用品のほうが使われているらしく、現在はマスの卵がいくらとして出回っていますが、粒が小ぶりなのが特徴です。

つくね

代用品という訳ではありませんが、骨についている身を薬で溶かし、解け出た肉をまた薬で固めるという荒業で作られています。

本物のつくねはお箸で割ったときに「つぶつぶ」感がありますが、人工つくねは断面が「つるん」としています。

サイコロステーキ

これもただの成型肉です。
ちょうど偽者サイコロステーキの記事がありました。

こちらが本物っぽいです。

手作り風の食品たち

私が働いているとき「手作り風の商品」を買っているにも関わらず、店頭で「手作り」を謳っているお店があるという事でよく笑い話になっていましたが、「手作り」だと思ってそこで食べている人はかわいそうでした・・・

手打ち風・そば・うどん

手打ちではなく、「手打ち風のそば・うどん」で、普通にamazonでも買えますが、調理の早い冷凍品が好まれます。

どれくらい早いかというと1分程度で出来上がります。

ちなみに、店頭で手打ちを謳ってしまっているお店は「冷凍焼け」に敏感なのが特徴です。

「そんなことに拘らずに自分で作ればいいのに・・・」と思ってしまいます。

手作り風デザート

「手作り風」というジャンルがあるくらいなので、これはみなさんが思っているより多いと思います。

詳しく書くとどこかから怒られそうなので「フルーツ」とだけ言っておきます。

某高級飲食店でも扱われていましたが、ちゃんと表示は「手作り風○○」と商品名そのままでした。

卵焼き・ゆで卵

余談ですが、まず普通の卵は安いです。
スーパーみたいに期限が短くなく、夏場でも暑い倉庫の中で常温保管され、賞味期限は1ヶ月以上あります。
これらは毎日出て行きますが、たまに売れるのが乾燥卵白と乾燥卵黄

値段の違いはブランド価格?

働いていて思った事は、各メーカーから同じような商品が出ています。

大体は大手さんが出した商品を、あまり名前の売れていない会社が真似をするという形ですが、劣化コピーではなく、安いのに味もおいしいという事がありました。

しかし、当然ながら大抵は安いほうがおいしくなく、みなさんが知っているような食品会社のものは割高です。

自分で食べる場合安心をもとめて「味の素」「ニチレイ」などの商品を買うと思いますが、飲食店は基本的に無名でも安いほうを買っていきます。

偽装食品を見分ける方法はあるの?

素人には区別がつかないものが多く、見た目だけで見分けるのは困難です。

対処法としては「価格が極端に安いものは避ける」「原材料を確認する」「小さな飲食店は避ける」ですが、100%避けるのは困難だと思います。

「小さな飲食店」とは店舗の大きさではなく企業規模の事ですが、ホテルのレストランなど大手でも行われているので判断材料としては弱いです。

気にしすぎても大変

私は「価格」が見分けるポイントだと思っていますが、「価格の高い偽装品」も世の中にはあると思います。
気にしすぎると何も食べれなくなるくらい今の日本には偽者がありふれています。

しかし、全ての偽装食品で害が有る訳ではなく、味の違いもほとんど無いのであれば、安価にて日本の台所を支えている事実がありますので、あまり神経質にならずに、なんとなく頭の片隅にいれておくくらいで丁度良いと思います。

最近お寿司にはまりました!

すしざんまいが美味しいですが、近所のすしざんまいは注文してからかなり待たされるのでたまにしか行きません。

現在、安価でもおいしいお寿司を求めてお寿司屋を廻っている真っ最中ですが、残念ながら街中にある1軒屋のお寿司屋さんで特別おいしかったことはありません。

なぜ私がお寿司に興味を持ったかというと、札幌の回転寿司「はなまる」で食べたお寿司が驚くほどおいしかったからです。

「もしかしたら今まで食べていたものが偽者ばっかりで、本物を食べたからなのかな?と疑うレベルでした。」

私はこれがきっかで東京でも「はなまる」や「銚子丸」によく行くようになりましたが、偽装食品の事を考えると、回転寿司だからとひとくくりにするのではなく企業の体制や「仕事に対する思い」を信じるのもありだと思います。

実は、今まで生魚に興味が無く、スシロー・くら寿司・はま寿司・海鮮三崎港に行ったのも今年がはじめてです。
残念ながらかっぱ寿司は近所にないのでまだ行けてません・・・

PS.かっぱ寿司は業界で低迷しており、復帰に向けて本物のマグロを売り出しているとの噂があり、気になるので今度行ってみたいと思います!